【最新】NISA拡充でどう変わる?高配当株とインデックス投資どっちを選ぶ?

2025/08/27

投資・お金

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NISA拡充でどうする?高配当株かインデックスかを比較する記事のサムネイル。天秤にAとBのブロックが置かれ、投資の選択を表現している。

はじめに|最新のNISA拡充の動きと背景

ここ数日、NISA(少額投資非課税制度)の拡充案に関する報道が続いています。対象商品の拡大や「スイッチング(同年内の非課税枠の入れ替え)」の要望など、制度の使い勝手を高める議論が進んでいるとのこと。詳細は今後の正式発表を待つ必要がありますが、非課税制度の利便性が高まる可能性が示されています。制度がどう変わっても、結局は「自分の投資方針」を明確にしておくことが一番のリスク管理です。本記事では、NISAで高配当株を持つ場合とインデックス投資をする場合の向き・不向きを整理し、最後に私自身のNISAの使い方も紹介します。

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NISA拡充の主な論点(最新報道を整理)

  • 対象商品の拡充:高齢層のニーズを踏まえ、毎月分配型などの投資信託を対象に含める方向の要望が検討されているとの報道。
  • スイッチング(入れ替え)同年内に売却で非課税枠を復活させ、別商品に乗り換えられる仕組みを条件付きで認める案が検討されているとの報道。
  • 年齢要件などの見直し:つみたて投資枠の年齢制限撤廃など、より幅広い世代が使いやすい制度への要望も話題に。

いずれも「確定事項」ではなく要望・検討段階。最終的な制度設計は今後の発表を確認しましょう。大枠としては「使い勝手の改善・対象拡大」がキーワードになっています。

NISAで「高配当株」を持つメリット/デメリット

メリット

  • 受け取る配当が非課税(通常は20.315%課税)なので、手取りが増えやすい。高配当株は「現金収入が見える」ため継続しやすい心理的メリットもあります。
  • 配当を積み上げ、再投資することで、長期目線なら着実に資産形成の実感が得られます。

デメリット・注意点

  • NISAでは損益通算ができない(損失で他の利益と相殺不可)。大きく下げた時の「損切り」は、そのまま損失確定になり、非課税メリットを活かしにくい。
  • 利回りだけで飛びつかず、配当性向・財務健全性・業種平均のPERなども合わせて確認すること。

具体例と非課税メリットのサイズ感

例えば、銀行株や商社株は高配当株の代表格として知られています。三井住友フィナンシャルグループや三菱商事などは配当利回りが3〜4%台で安定しており、NISA口座で保有すれば配当金の非課税メリットを大きく享受できます。

ただし、これらは景気敏感株でもあります。景気後退期には業績が大きく揺らぎ、減配や株価下落のリスクが高まりやすいので、ポートフォリオでの比率を持ちすぎないことが現実的です。私自身も、配当の安心感は評価しつつ、比率を抑えて分散を意識します。

非課税メリットの具体感を掴むために、簡単な例を挙げます。仮に年間20万円の配当を受け取ると、通常口座なら約20%(概算で4万円強)が税金で差し引かれます。NISAで同じ配当を受け取ればこの税金はゼロ。5年なら累計で20万円前後、10年なら40万円前後の差が生まれる計算で、インパクトは決して小さくありません。

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NISAで「インデックス投資」をするメリット/デメリット

メリット

  • 長期・積立・分散の基本に沿いやすく、相場を読まなくても継続しやすい。
  • 非課税枠での複利効果を最大化しやすい(売却益・分配再投資の課税を回避)。
  • 商品選びの手間が少なく、家事・仕事と両立しやすい“放置力”がある。

デメリット・注意点

  • 短期のドローダウン(含み損)は当然起こる。時間分散と継続が前提。
  • 指数選び(全世界・先進国・国内など)と手数料(信託報酬)の見極めが必要。

全世界株式を中心にする理由と積立のイメージ

インデックス投資で私が中心にしているのは「全世界株式インデックス」です(例:eMAXIS Slim 全世界株式〈オール・カントリー〉)。世界中の株式に幅広く分散投資できるため、長期でリスクを抑えながらリターンを狙えると考えています。

もっとも「全世界株式」といっても、その内訳の大部分は米国株が約6割を占めています。つまり「全世界=米国を中心に、その他の国や地域も一定割合で含まれる」というイメージです。米国の成長を取り込みつつ、日本や欧州・新興国も少しずつ保有できる点を私は評価しています。

積立のイメージを共有します。仮に年平均5%20年間、毎月3万円積み立てた場合、元本720万円に対し、複利効果で約1,000万円超に達する試算があります。課税口座なら売却益や分配金に約20%の税金がかかりますが、NISAなら非課税。この差が長期になるほど効いてきて、複利の威力を最大化できます。

金融庁のつみたてシミュレーションを使って、毎月3万円・20年間積み立てた場合のイメージを確認してみました。

金融庁つみたてNISAシミュレーション結果、20年間で元本720万円が1233万円に成長する試算グラフ

出典:金融庁「つみたてNISAシミュレーション」

高配当 vs インデックス|タイプ別の向き・不向き

観点 高配当株 インデックス投資
非課税の活かし方 配当の手取り最大化 売却益・再投資の複利最大化
向いている人 配当収入を重視・個別分析が好き 手間を減らして広く分散したい
注意点 損益通算不可で「損切り」は非効率になりやすい。
景気敏感株(銀行・商社など)の比率は持ちすぎ注意。
指数選び・信託報酬に注意。
短期の含み損は許容して継続する前提。

私のNISAの使い方(個別株=特定口座/NISA=インデックス)

私は個別株は特定口座NISAはインデックスファンド専用にしています。理由はシンプルで、NISA口座で損切りをすると損失が損益通算できないからです。特定口座なら配当や売却益と損失を相殺できますが、NISAではそれができません。つまり、もし大きく下落して損切りをすることになれば、ただ損するだけになってしまいます。

基本方針として私は「損切りはしない」スタンスです。とはいえ、非課税枠は長期でプラスを期待できる全世界株式インデックスに割り当てる方が、精神的にも制度的にも相性が良いと感じています。以前は先進国株式インデックスも検討しましたが、国や地域を限定するとどうしても偏りが出やすいと感じ、先進国株は外して全世界一本化しました。

また、過去にピクセルカンパニーズを塩漬けした経験から、個別株は値動きが激しく、NISA口座で持つにはリスクが大きいと痛感しました。だからこそ、非課税メリットを最大限活かせるインデックス投資にNISA枠を集中させています。高配当株は魅力も大きいですが、景気敏感株の比率を高めすぎない、そしてNISA枠での個別株比率は必要最低限にとどめるのが、私の落としどころです。

まとめ|制度は変わっても“自分の方針”が軸

  • NISA拡充は使い勝手の向上につながる可能性があるが、正式決定の内容・時期は今後の発表を確認。
  • 高配当株は「配当の手取り最大化」、インデックスは「非課税の複利最大化」。目的と性格に合わせて選ぶ。
  • 私は個別株=特定口座/NISA=全世界株式インデックスで運用。損益通算の観点からも合理的で、長く続けやすい。
  • 銀行・商社など景気敏感株は魅力も大きい一方で、比率を持ちすぎない慎重さが大切。

※本記事は個人の体験に基づく一般的な情報であり、特定の金融商品の勧誘・推奨ではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

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