暴落は必ずやってくるものですが、そのときにどれくらい現金を残しておけば安心できるのか。私自身の資産を例に、わかりやすく解説していきます。この記事が私と同じ30代や20代後半でこれから投資を始めようと思っている人の参考になれば嬉しいです。
現金比率とは?なぜ大事なのか
現金比率とは「資産全体に占める現金の割合」を指します。投資信託や株式のようなリスク資産に対して、現金はリスクを取らない安全資産です。投資の世界では「キャッシュポジション」と呼ばれることもありますが、意味合いは少し異なり、ファンド運用の中でどれだけ現金を残しているかを示すことが多いです。個人の資産管理では「現金比率」という言い方のほうが直感的でわかりやすいでしょう。
暴落が来たとき、現金があれば慌てて株を売らずに済み、逆に安値で買い増すチャンスにもなります。だからこそ「現金は王様(Cash is King)」という言葉がよく使われます。良い投資機会のために現金を準備しておく事も大切な事です。
逆に現金が全くないと、暴落時に生活費に困り、投資どころではなくなります。現金比率は「投資余力を持つ」だけでなく「生活を守る」役割も兼ねているのです。
8月末時点の私の資産と現金比率
では、私自身の現状を整理してみます。2025年8月末時点での総資産は約960万円でした。その内訳は以下の通りです。
- 投資信託(iDeCo含む):約540万円
- 株式(現物):約270万円
- 預金・現金・国債:約155万円
このうち現金といえるのは、預金・現金・国債で約155万円。総資産960万円に対して約16%が現金比率となります。
本来、国債は「債券」に分類されます。ただし個人向け国債は元本保証で途中換金もできるため、私はほぼ現金扱いとして現金比率に含めています。資産管理の考え方次第ですが、実務上は預金と同じ安心資産として見ています。
つまり、私の資産の約8割以上は投資に回しており、現金比率は2割弱というバランスです。独身で生活費も比較的低く抑えられているため、この比率でも心理的には不安はそこまで感じていません。ただ少し見直していきたいとは考えています。
過去の暴落事例と現金の重要性
現金比率の意味をより実感できるのは、やはり過去の暴落を振り返るときです。
- リーマンショック(2008年)
日経平均株価は2007年の高値18,300円台から2009年の安値7,000円台まで下落しました。およそ▲60%の大暴落です(出典:日本取引所グループ JPXデータ)。 - コロナショック(2020年)
2020年初の高値24,000円台から3月には16,000円台へ。約▲30%の下落でした(出典:日本経済新聞 2020年3月17日記事)。
私自身が体験したのはコロナショックの方です。投資始めたてだったので、含み損が十数万円規模で済みましたが、正直不安になりました。当時の私は貯蓄と投資をほぼ同時に始めたばかりで、預金は30万円ほどしかありませんでした。現金が少なすぎて不安で仕方なく、暴落時は証券口座を開く気になれなかったのを覚えています。それでも何とか売らずに耐えたことで、結果的に回復局面を迎えることができました。
これでもし現金も収入も全くなかったら…「生活費のために含み損の株を売る」という最悪の選択をしていたかもしれません。過去の事例からも、現金比率の有無が投資家の行動を左右するのは明らかです。
投資家によって違う現金の考え方
現金をどのくらい持つべきかは、人によって大きく異なります。ここでいくつかの考え方を引用します。
- ウォーレン・バフェット
「We have made a lot of money by not wanting to be fully invested at all times(常に全額を投資しているわけではないことで、多くの利益を上げてきた)」と述べ、現金を一定程度保有する戦略を肯定しています(出典:Yahoo Finance) - レイ・ダリオ(ブリッジウォーター創業者)
「キャッシュはトラッシュ(ゴミ)」と有名な発言をしています。ただしこれは「インフレ下では現金を寝かせすぎるのもリスク」という意味であり、必要な分の現金は確保すべきだと補足しています(出典:Bloomberg 2020年1月)。 - 日本の投資家
ブログや書籍でよく言われるのは「生活費◯か月は現金で確保」という考え方。だいたい半年から1年くらいなイメージです。
このように投資家のスタンスは様々です。バフェットのように暴落で勝つために現金を持つ人もいれば、ダリオのように「現金過多もリスク」と考える人もいます。結局は自分の状況や性格に合わせて考えるしかありません。
リスク許容度と現金比率
ここで重要になるのが「リスク許容度」です。投資を始めた頃、私自身も一番悩んだのはこの部分でした。株価が下がったときに夜眠れなくなるようなら、それはリスクを取りすぎている証拠。逆に多少の含み損でも気にならずに積立を続けられるなら、リスク資産を多めに持っても大丈夫かもしれません。
今は総資産960万円のうち現金は155万円=16%。この比率は、私が自分の生活費や性格を踏まえて「落ち着いて続けられる」と感じられる範囲です。人によってはもっと現金を厚めにした方が安心ですし、逆に投資割合を増やしても平気な人もいるでしょう。
私自身の考え方と生活との関係
私は独身で、毎月の生活費はだいたい18万円ほど。もっと切り詰めれば、最低限の生活だけなら14万円ほどでも可能です。
- 1か月の生活費:18万円(節約すれば14万円)
- 6か月分:約100万円
- 12か月分:約200万円
- 現在の現金:約155万円 ≒ 生活費10か月分
➡ 今の現金比率なら「生活費1年分弱」をカバーできる水準なので、暴落が来ても安心材料になると考えています。
この水準を前提にすると、生活防衛資金としては半年分で約100万円、1年分でも約200万円あれば十分に安心できます。現在の現金比率は約155万円=およそ10か月分の生活費に相当するため、ひとまずは暴落が来ても焦らずに対応できる水準だと考えています。
人によっては「生活費2年分の現金を持つべき」という考え方もありますが、私の場合は独身で支出も比較的コンパクトなので、生活費1年分+少し余裕、くらいで十分と感じています。
もし家族を養っていたり、住宅ローンがあったりすれば、もっと現金比率を高めるでしょう。生活環境によって適切な現金比率は大きく変わります。
暴落時にどう動くかの行動プラン
現金があることで、暴落時に落ち着いて動けます。私が想定している行動プランは以下の通りです。
- 生活防衛資金(生活費半年〜1年分)は絶対に手をつけない
- 暴落時に現金の1/3投資に回す
- 残り半分は「さらなる下落」に備えて残す
- 買い増し先はインデックス投信と高配当株を中心に
こうしたルールを決めておけば、暴落時に感情に振り回されず、計画的に行動できます。
ChatGPT55を使ったシミュレーションの活用
今回の記事では、実際にChatGPTに私の資産データを入力し、シミュレーションを行ってもらいました。リーマンショック級の下落で資産がどの程度減るかを数字で見たとき、インパクトは非常に大きかったです。
AIを活用すると「もし暴落が来たらどうなるか」を短時間で確認でき、投資判断の補助になります。もちろん最終的な判断は自分で行う必要がありますが、シナリオを事前に可視化しておくことは、暴落に備える上で強い武器になります。
まとめ
- 現金比率は資産全体に占める現金の割合を示す
- 私の現金比率は総資産960万円のうち約155万円=16%
- 過去の暴落ではリーマン▲60%、コロナ▲30%と大きな差があった
- 投資家によって現金の考え方は様々(バフェット、ダリオ、日本のFIRE勢)
- 独身の私は1〜2割でも安心と判断、家族持ちならもっと厚めでもよい
- 暴落時は現金の1/3を投資に回し、2/3は残すプラン
- ChatGPT55でのシミュレーションは備えの意識を高めるのに有効
投資は「資産を増やす喜び」だけでなく、「減るときにどう耐えるか」も試されます。現金比率をどう持つかは、自分の生活環境やリスク許容度によって最適解が変わります。
大切なのは「暴落が来ることを前提に、心の準備をしておくこと」。現金はそのための安心材料であり、チャンスを活かすための武器でもあります。
私自身も今後はもう少し現金比率を上げて、暴落時に買い増しできる準備をしていきたいと考えています。この記事を読んでくださった方も、自分の生活費やリスク許容度に合わせて、安心できる現金比率を考えてみてください。
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